てるおじいさん

会社を出るときに、いつも電話をかけてくる。自転車で10分。家に帰ってからでも話せるようなことを、わざわざ電話で話すのが、二人とも好きなので、日課になってる。ええ、バカップルです。ですとも。
バカ買い物をするくせに、変なところでケチるので、家賃は、大家さんのところへ手渡しでもって行く。てるおさんの仕事。
今日の帰るコール。
「夕飯どうする?」
「今日は、いいんじゃない?昨日、肉いっぱい食ったし。」
「あ、家賃払いに行っといたけぇ。」
「あ、ありがとありがと。」
「今日は、あれ?英語の日?」
「うーん、宿題やってないから今日はナシ。」
「先生に怒られるで。」
「いや、でも、まあ、火曜日じゃけ。」
「そうか、そうか。」
「そう、そう。」
「ほか弁で、肉野菜炒めのみでも買って帰ろうか?」
「いいよ。」
「なんかあるっけ?」
「キムチと塩辛あるから、いんじゃない?」
「あ、家賃払いに行っ・・・」
「聞いたよ。それ。1っ分前に。じいさんかっ!?」
「あ、ほんま?あれ?」
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大丈夫じゃろうか。