お出かけの日

妹(三女)の誕生日だったので、実家へ。迎えに来てもらい、妹の車で。集まるというと、実家へ集合する四姉妹。そして、集まったからといって、これといったイベントがあるけではないのだけど、長く暮らした家で、思い思いの時間(昼寝あり、外出ありなど)を過ごし、付かず離れずというのが、心地よい。
そして、相変わらず母親に世話を焼いてもらい、完全にコドモ化する。ありがとう、母さん。ごめんよ、母さん。そのうちね、母さん。
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帰ってしばらくすると、てるおさんが電話をしてきて「病院に行くんだけど、一緒に行ける?」と、言うから、どうかしたのかと思ったらお見舞いだった。社長が、入院してたらしい。
けっきょく、2時間くらいおじゃましてきた。社長も、会社のことが気になって仕方がないらしく、話が止まらない。ふだん、無口なてるおさんも、社長とは、よく話す。「毎日顔合わす人間がおらんかったら、2・3日でも、なんか変な感じですよ」だって。早く良くなってくださいとか、そういうこと言わないけど、口には出さなくても、てるおさんが社長のことを心から尊敬して、慕ってることは、すぐわかる。
数日前に、急に手がしびれて、半身がマヒ状態になったらしく、検査のための入院だったとのこと。一時的なものだったようだけど。ちょうど父親と同じくらいの年。「働きすぎですよ!」と、言うと、「無理をしとるつもりは、ないんじゃがのー」て、言ってた。朝2時や3時から会社行って、夜も遅くまで仕事することを、世間では無理しとるって言うんですよ! 社長!!
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帰りの車の中、てるおさんの嘆きを聞く。みんな口先ばっかりで、「無理しちゃだめですよ」なんて言ってるけど、なんで社長がそこまでの無理をしなきゃいけなくなるか、考えてない。社員全員がちゃんとするべきことをしてれば、社長にしわ寄せが来ることなんてないのに、と。みんな社長がどれだけやってるか知らないらしい。いい社長にめぐり合えて、てるおさんはラッキーな人だと思っていたけど、わからない人には、わからないもんなんだな。
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社長を相手に、会社の今後の方針も含めて、いろんなことを遠慮せずに提案していく(しかも、そういう時は、なぜかため口で)我が夫を見て、正直ちょっと驚いた。でも、社長は、それこそを評価してくれているらしい。
ぶつかったり、失敗することを恐れて、指示されたことだけを指示されたとおりにしかできん人間じゃ、困る。ぶつかってみなければ、相手も気付かないことだってあるし、考えて考え抜いたすえのアクションで起こった失敗は、必ず原因がわかる。原因がわかれば、二度と同じ失敗はしない。
指示されたとおりにやるだけでは、失敗もしないけど、それを超えることは絶対にない。たとえ上司でも、自分の意見をぶつけて、衝突しながらも進んでいこうとすれば、より質も量ももとめられる、いいものが見つかる。
「てるおくんは、それをやるからね」と。だから、長年この仕事をしてる上司をも、技術で超えたと言ってくれた。
でも、てるおさんは、「それは、土台を作ってくれていた人たちがおったからこそで、自分たちは、そこからスタートするんじゃけぇ、それを超えにゃウソじゃろ」と、言ってた。社長は、その気持ちがあるから、またすばらしい! なんて、褒めちぎってくれた。褒め殺し漫才か!?
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二人の会話で、嬉しかったのを、もうひとつ。「家族が大切だからこそ、家族がいるからこそ、できる」とな。家族を守るために働き、家族の支えがあるからこそ働ける。まあ、そうだな。もちろん、ユウとトラも含めてだけど。独りだったら、ここまで、仕事に一所懸命にならなかったかもしれない。と言うから、「でも、いっつもおらんし……ウチが、独りもんみたい」と言うと、すかさず「もう、べったり一緒の時期は、過ぎたじゃろ」と、社長に笑われた。よくご存知で。あは。