事件のその後など

結婚した当初から、てるおさんに対する愚痴は、てるおさんの実家でぶちまけることにしている。
片付けができないだの、金遣いが荒いだの、その他ありとあらゆる駄目なところを、散々に、ケチョンケチョンに、けなしちらして、婆ちゃんや、お父さんや、お母さんや、姉ちゃんに、「こら、てるお! しっかりせんか!」「迷惑をかけるのぅ」「ごめんね、ちよ」「てるお、ひどい!」と、言ってもらうことで、すっきりするから。
こちらの実家でそれを言うと、「文句ばっかり言ってないの。あんたこそちゃんとしなさい」と叱られるだけだし、うっかり深刻そうに話してしまえば、「帰っておいでよ」と言われかねない。
不平不満は 多少 多々あるけれど、どうしたものかこの人が好きで仕方がないので、そう思ううちは、一緒にやっていきたい。不平不満がいっさいなくても、好きだと思わなくなったら、そのときには別れるだろうけれど。
それに、親不孝をしてきたと自覚があるので、もう、できるかぎり心配はかけたくない。てるおさんの、いいところばっかりを話して、安心させたいというのがある。でも、どこかで愚痴らないとパンクしてしまってはいけないので、てるおさんの実家で発散させて、バランスをとっている。なかなか賢いと思う。

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この前は、先月の大赤字について相談した。家族会議が開かれることになった。(てるおさんが逃げられないように)うちへ来てもらい、たっぷりとお説教してもらい、このまま続けたらどんなに恐ろしいことが待っているのか脅してもらい、ついでになぐさめてもらい、ちよは、よく考えているし、よくがんばっているとほめてもらった。
当の本人は、けろっとしていて、事の深刻さを理解しているのやらどうやらといった感じだけれど、とりあえず、それ以来、買い物はしていないよう。ひとまずは、安心。
次の日、お母さんが、お米を持ってきてくれた。でも、持って帰ってもらった。「うちは、無洗米を買ってるから……お米とぐのめんどくさいし」と言ったけど、本当は、生活の援助を受けるのがいやだった。てるおさんの意識さえ変われば、問題のない生活ができるはず。はやく一人前になって、むしろ援助するほうになろうよと話す。


うちの実家へは、お父さん(海の男)が、「息子がご迷惑をかけます」と、なまこを持っていってくれたそうで、母親に「なにかあったの?」とたずねられたので、軽く説明すると、「でも、てるおくん、やめるって言ったら、きっぱりピタっとやめるから、大丈夫なんじゃない?」と笑っていた。
たしかに、たばこも、お酒も、パチンコも、今はいっさいやらない。女遊びは、もともとしない。いいやつなんだよ。ね。信じているよ。たのんだよ!

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家族会議中に、ふと自分の口から出た言葉に、自分でハッとした。「お父さんみたいな人になりなさいって言いたいから。だから、しっかりしてよ」と、思わず言っていた。
うちの母は、いつも「お父さんみたいな人と結婚するべきよー」と言っていたし、父は、「俺は、お母さんのこういうところ、すばらしいと思うんよ」と、ことあるごとに言っていた。それは、とてもありがたい環境だったんだと、改めて感じた。両親がお互いを、「あんなふうには、なるんじゃないよ」と言っていたら、つらいだろうし、嫌いになるんじゃないかと思う。

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オークションの品は、まだ売れない。事件は、未だ解決せず。1点だけ、入札があった。現在価格1万3千円。5万円くらいしたものらしい。残り3日。アーーーーーーーメン!!