夫のじいちゃんが入院してる。今年で90歳。ばあちゃんも同い年。ずっと付き添ってる。お見舞いに行ってきた。夫は声をかけない。いつにもまして無口になってしまった。じいちゃんも気づいてない。自分もそうだった。話しかけようと近づいた途端、涙が溢れ、声を出そうとすると震えるので、黙ってた。同じかもしれない。詮索はしなかったけど。しばらくしたら、どこかへ行ってしまった。ここは姉さん女房っぷりの見せ所とばかり、代わりに(本当はじいちゃんだって本物の孫のほうがいいかもしれない)手を握り、望みをできる限り聞いてみた。
・その1「帰りたいー。」じゃ、ご飯ちゃんとしっかり食べて、お薬も嫌がらずに飲んで、早よぅ元気にならんとね!
・その2「ケツが痛ーい。」ちょっと待ってよー。ズリズリ(←体の角度を変えてみる)「よし。」はぁ、どうも。
・その3「水。」はいっ。お易い御用で。
・その4「神さんに拝ませてくれ。」はい、はい。パチン(じいちゃんの手を合わせてみる)『元気になって早よぅ家に帰れますように』。えぇかいな?「違うんじゃ。」?「わしは今までこんなエライ*1目に遭うたことがない。」「何かご無礼をしてしもうたんじゃ。」「バチがあったったんじゃ、詫びにゃならん。」「拝ませてくれーや。」じいちゃん!何をしたっちゅうんかね?何にもしちゃおらん!!大丈夫だから。すぐ治るから。大丈夫だからね。

*1:ウチのほうの方言で『つらい』『苦しい』『くたびれる』などの意。