運命共同体

9時起床。
昨日は、ちょっとしたきっかけがあり、自炊をした。いつものパスタだけど。とにかく包丁が嫌いなので、缶詰のツナとキノコ、チューブ入りのおろしにんにく、パックのフライドガーリックがいつもの具。それに、タバスコの緑のソース『JALAPENO SAUCE』をお好みでふりかける。てるおさんは、これを世界一のスパゲティと呼ぶ。
これが、1ヶ月ぃゃ2ヶ月に1度あるかないか。ほぼ、このパスタのときだけに使われるフライパン。包丁は、どこかにしまわれたままだし、鍋もお湯を沸かすくらいにしか使わない。自給自足まではいかなくても、もう少し、あとちょっとでも、料理らしいことが、家でできるようになったほうがいいかなぁと思う。
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さて、
脳には流動性能力と結晶性能力というのがあって、流動性は、丸おぼえの能力で、大人になると衰えていくけれど、結晶性のほうは、関連性にもかかわる能力で、30歳を過ぎたあたりから75歳くらいまで伸び続けるそうです。
ということで、結晶性能力真っ盛りのアタチの脳みそは、クリップの束を磁石で吊り上げたように、ふとしたきっかけで話が止まらなくなります。
※説教くさい話と、お惚気話が嫌いな方は、続行をご遠慮ください。
思い出とは、往往にして美しく語られるものです。真実に、思い出スパイスがプリリと効かせてあるものとして読んでいただけると、気恥ずかしさが幾分かは軽減されるものと思われます。お互い。
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てるおさんがここ数日読んでいた本はコチラ。

千円札は拾うな。

千円札は拾うな。

「参考になる考え方もあったが、つっこみどころも満載だった」とのこと。
さっそく我が夫を褒め称えますが、そう読める人ってすごいと思う。ウチは、教祖的にすべての意見を鵜呑みにしてしまうところがあるから。そうでなければ、全否定か。
てるおさんの場合、すでに芯がしっかりとあり、さらに柔軟性も持ち合わせているから、自分の悪いところは改善しても、他人の悪い部分には流されないようにできるのだろう。と、また、教祖的に尊敬しすぎてしまうのも良くない癖。
この本の中で、一番よかったところは、「常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」という言葉だったということで、意見が一致した。ただしこれは、筆者の言葉ではなく、アインシュタインのもの。
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賛成できなかった理由として、成功 = お金持ち という考え方が根底にあることだと言っていた。たしかに。いかにして、楽に効率よくお金を儲けるかを説いている本だった。効率も、お金儲けも大事だけど、生命平等隊としては、大賛成というわけにはいかない。まっとうに生きている命が危ぶまれるような世の中が、完全に改善されているなら話は別だけど。それに、お金で買えない価値もあるし。偶然であった猫との暮らし:priceless。
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まだ、知り合って間もない頃、友達数人と飲んでいて、ウチがひとり先に帰らなくちゃいけないことがあった。その時、てるおさんは、タクシーで家まで送ってくれた(自分も乗り込んで、そのタクシーでお店まで戻ったということ)。
それまで、タクシー代を渡してくれる人や、自分も飲んでいるのに、車で送ってくれる人はいたけど、正直、そんな優しさはいらないと思っていた。お金じゃないんだよ! と。べつに、家までのタクシー代なんて惜しくない。本当に、無事に帰れるかどうかを心配しているなら、そんな行動はとらないだろうと思っていたから、その時のてるおさんには、すっかり感動してしまった。今となっては、心配性のコノヒトの、当たり前の行動だけれど。
まあ、借金を肩代わりさせられたり、いつもいつもウチに食事代を払わせたり、そういう扱いも過去にはされてきたから、感動しやすかったというのも、あり。
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飲酒運転をする人が嫌い。この前も、「今の時期、ケーサツ多いよねー。こわい、こわい」と、話しているのを聞いてしまい悲しくなった。事故をすることじゃなくて、捕まることを怖がっている。自分のことしか考えていない人のする行動だと思っているから、飲酒運転をする人は、信用しない。
てるおさんと知り合った頃に付き合っていた彼は、お金持ちの人だった。17コ年上で、仕事に情熱をそそいで生きてきた社長さん。ちなみに独身。忙しいのは、重々承知だったけど、会えないことより、お金やモノで解決するところがあるのを、かえってさみしく感じていた。久しぶりに会うと、出張先で買ったというプレゼントが必ずあった。ブランド物の、バッグや小物。素直に喜べなかったのは、他の誰にあげてもいいモノのような気がして、それが不安の種だったからかも。
タクシー代を渡してくれる人だった。行きは、迎えに来てくれるけど、駅前にも駐車場を何ヶ所か持っていて、車も数台あるから、飲んだ先で置いて帰る。そして、別々のタクシーに乗る。飲酒運転は、絶対にしなかった。優しいし、まじめだし、てるおさんに会うまでは、本当に、大好きだと思っていた。
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てるおさんに出逢ってしまった。知らないって怖い。こんな人がいるって知っていたら、今まで、誰のことも好きにならなかったのにと思った。
社長の彼とは、大人同士のよくあるやつで、「付き合おう」というような台詞はなく始まってしまったので、恋人と言っていいものか、悩むこともあった。このてるおさんは、ウチが26年間生きてきて、他のどこでも聞いたことのない告白をしてきた。いや、してない?
一緒に遊んでいた友達と別れ、送ってもらっていた。時計が0時をまわり、知り合って10日目の12月24日になって少したったころ「明日も会えるかね?」と、きいてきた。あまりに気が合って、10日間ほぼ毎日会っていたから、あえてたずねられたことをむしろ不思議に感じて「うん。会おうよ。なんで?」ときくと、「いや、明日、告ろうと思って……」大爆笑してしまった。それって、本人に言うことじゃないよ。でも、予告されてしまったので、もうすでに話してあった社長の彼ことをもう一度確認して、こんな、恋人が忙しいからといってほかの男と遊んでるような、そんな女で本当にいいのかとか、いろいろ話しているうちに我慢できなくなって、自分から求婚してしまった。てるおさんを知った時点で、彼とは別れようとは思っていた。てるおさんと付き合うことがなくても。
で、けっきょく告白されなかった。予告のみ……。
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お正月が過ぎてから、社長の彼に会った。話があるというと、「彼氏でもできた?」と、ズバリ当てられてしまった。「うん」と言うと、本人は、当たるとは思っていなかったらしく、一瞬その場がかたまってしまった。
てるおさんのことを話すと、「やっぱり若さには敵わんなぁ。もっと早く行動に移しておけばよかった。2月にやっとまとまった休みが取れたから、2・3週間いっしょに南の国にでも行こうと、今日、誘うつもりだった」と言われた。でも、ウチも仕事があるのに? ときくと、「結婚しようと思ってた」と。
でも、ぜんぜん揺れなかった。てるおさんに夢中だった。買ったばかりのバイクの借金500万円を抱え、バイク屋でアルバイトをしている22歳のまっすぐな青年に。
帰り際、クリスマスにあげるつもりだったんだけどと、プレゼントを渡された。でも、こんなことになったし、受け取れないと言うと、「でも、これは、ちよちゃんに選んだモノだから、他の人にはあげられん。オレが使うわけにいかんしな」と笑った。43歳のまっすぐな青年だった。誤解していたかもしれないと、少し反省した。もしかすると、全部リップサービスだったかもしれないけど、そうだとしても、本当にいい人だった。見た目は、ヤっちゃんみたいで、曲がったことが大嫌いな人だったから、まわりからは、恐れられていたけど。
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本の中に、ビジネスを恋愛にたとえて語っているところがあった。てるおさんは、「この人は、運命とか信じてないんじゃろうね」と言う。ウチが、最初にカレシができたのは中1のときだと話すと、「じゃあ、ちよが小6のときに知り合いたかった。オレ、小1じゃけど」と、言ってくれる奇特な人。出逢ってしまった運命ではなくて、出逢える運命だったと思っていてもらいたい。ずっと。