みかけだおし

お気楽に、悩みなさげに見えるのは、喜ばしいことだと思えるようになった。無理矢理そう見せているわけではないけれど、本当は、それなりの苦労も感じているし、悩みもないわけじゃないにしろ、それを素直にまわりに見せたからといって、たいした得はない。
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どちらかというと、若く見られがち。昔からそう。ハタチの頃には高校生に、25歳頃にはハタチくらいに。年々、実年齢から離れていっている気がする。
なにがそう思わせるのか、自分では、よくわからないということもあって、今までは、正直あんまり嬉しくなかった。最近は、女性に言われるのは、それほど嫌じゃないけど、男性(特に年下の)に言われると、本気でムっとくるときがある。そうやって言えば、喜ぶと思ってんじゃないの? というのと、どこで判断してんの? という主に2つの理由から。アンタにアタシのなにがわかんのよ! とか。

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23歳くらいの頃、「ちよちゃんには、幼さはあるけど、若さがない」と、ひとまわりくらい年上の女友達にいわれたことがあり、かなり凹んだ。「なにそれー」と、笑っていたけど、本当にショックだった。すごく仲良しだったし、意地悪を言う人ではなかったから、ひがみとか、そんなわけでもなかったはず。
でも、たぶんそれ以来「若い」と言われても、(きっと相手は褒め言葉として、何の躊躇もせずに発している言葉だろうに)素直に喜べなかった。
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最近、もしやと思える理由を見つけた。お気楽に見えるからだ。きっとそう。「若さがない」と言われた当時は、どこからどう見ても、辛そうなのに、無理矢理に明るく振舞っていたから、おかしく映ったんだと思う。
今は、基本的にちゃんとお気楽に暮らしているから、少しの苦労は、うまく隠せるようになって、結果としていろんなところに影響してるんじゃないかな、と。たぶん、表情とか。
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同い年くらいの女性には、だいたいわかってもらえる。たぶん、行動パターンや、言動から。
年下の女性に、「同じくらいかと思った」というセリフで言われたとき、考える。コチラから見れば、その違いは、無数にある。そこを通ってきて、ここにたどり着いているから、「そこ」と「ここ」の違いが見えるから。でも、「そこ」しか知らなかったら、「ここ」も同じように見えるんだろうな。
自分にも、そんな、見えているつもり、わかっているつもりなことが、まだまだたくさんあるんだろう。長生きでもしてみようか。